何気なくTVを見ていたらドラえもんをやっていました。
ふと、新しい映画がどうのと言いながら、空飛ぶ絨毯が飛ぶシーンが見えました。
思わず、「えっ。まさか、魔界大冒険か!?」と思いました。
ずっと見ていると、大当たりでした。
来年(2007年)のドラえもん映画は、「ドラえもん のび太の新魔界大冒険 7人の魔法使い」。
これは、ちょっと嬉しい衝撃でした。
なぜ衝撃になってしまうのか? §
新スタッフへの交代後の初映画は「のび太の恐竜2006」で、これはドラえもん長編第1作の『のび太の恐竜』のリメイクです。
そこから考えられる第2作の可能性は3つあります。
第1に、順当に長編ドラえもん第2作の「のび太の宇宙開拓史」のリメイクへ進む可能性。
第2に、何らかの基準で多数存在する長編ドラえもんのいずれかの作品をリメイクする可能性。
第3に、全くの新作を作り出す可能性。
これらの可能性を総合して考えると、私が最も好きな「魔界大冒険」をリメイクするという確率は小さなものでしかありません。
しかも、「魔界大冒険」になる必然性も全く見えてきません。
それなのに、空飛ぶ絨毯が目に入った時の驚きは全くの不意打ちでした。
魔界大冒険は好きなのだよっっ! §
魔界大冒険は、当時まだあまり普及していなかったファンタジーに関する約束事を、非常に分かりやすく説明し、それをドラマとしてきちんと盛り上げることができた傑作だと思います。
たとえば、大魔王の心臓が別の場所にある……といった設定が、こともあろうに子供向けアニメの王者「ドラえもん」で語られるドキドキ感は最高に凄かったと思います。
更に、記号的なヒロインに過ぎないしずかちゃんとは別に、美夜子という本物の美少女が登場し、ドキドキさせてくれること。
努力せずに問題を解決してくれることはない「魔法」の描写等々。
見所は多数あります。
しかし、最も素晴らしいのは、「めでたしめでたし」のエンディングをのび太が自ら拒絶し、映画が継続する描写です。一度、終わりの文字が出て本当に終わりそうになるのですが、それにのび太が異議申し立てます。魔法のある世界の人たちがピンチにあるというのに、のび太だけが元の世界に戻って平和に暮らすことを拒絶します。
これに似たシーンは、「のび太の大魔境」にもあります。あの恐ろしいジャイアンですら怯えている状況で、のび太が勇気を持って歩き出す……。初期長編ドラえもんの最大の魅力は、最も弱いはずののび太が、究極的なピンチ状況で逆に「逃げない」という展開にあるような気がします。「のび太の日本誕生」あたりを見ても全く物足りないのは、それが無いからでしょうね。
昔はけっこうドラえもんを映画館で見ていたのだな…… §
これを書くために調べていると、どうも初期の長編ドラえもんは、かなりの割合を劇場で見ていたことが思い出されました。たぶん、「のび太の魔界大冒険」から「のび太の日本誕生」までのかなりの割合を見ていると思います。
最初のうち、映画ドラえもんのことは馬鹿にしていたのですが、TV放映される映画を順に見ていくうちに、すっかり「はまってしまった」のだと思います。そして、「日本誕生」で完全に夢を打ち砕かれて劇場に行く機会も減った……という感じです。
好きなドラえもん映画といえば §
「のび太の魔界大冒険」が最も好きですが、初期の作品はどれも良かったという印象があります。「のび太の恐竜」からして傑作だし、「のび太の大魔境」(犬の王国)や「のび太の海底鬼岩城」(バギーちゃん)も良かったと思います。「のび太のパラレル西遊記」で、最初に見た「本物の孫悟空」が、実はのび太自身だったという展開も好きです。
でも、それとは別に、実は「ザ・ドラえもんズ」の一連の作品、特に「ザ・ドラえもんズ 怪盗ドラパン謎の挑戦状!」も好きだったりします。これは本当に面白い映画ですね。その他、「ドラミ&ドラえもんズ ロボット学校七不思議!?」で、さりげなく、ドラミとドラ・ザ・キッドがちょっと恋仲になったりするあたりも好きだったりします。
やはり、そういう過去を抱えていると、ドラえもん映画の話題は、どうしても気になってしまう面があるわけですね。